Global Career Guide
前回、「英語でなく、ロジックに問題がある人がいる」と書きましたが、「英語より、コミュニケーション力に問題あり」という人もいます。
先月、書いたように、私はツイッターで、日本の英語学習者の方々と英語でやりとりするためのアカウントを設けて5年になります(@TweetinEng ハッシュタッグ #EngPls)。
ツイッターをはじめとするソーシャルメディアのいいところは、1日24時間、自分の都合のいいときに、ネイティブらの英語に触れられるところです。そして、リアルタイムで、彼らとおしゃべりすることが可能なのです。
毎日、ツイッターしている人の中には、数ヶ月で、英語が見る見るうちに上達した人たちもいます。短期で上達した人たちに共通しているのは、間違いを恐れず、積極的にツイートしている点でしょう。相手が知らない人だろうが、有名人だろうが、自分から話しかけていくのです。
一方、ツイッター上で人と会話をせず、一方的につぶやくばかりの人もいます。もちろん、ただつぶやきたいだけなら、それはそれでいいのですが、目的が英語力上達であれば、一方通行では無理でしょう。
言語というのはコミュニケーションの手段です。前にも書いたとおり、大半の人にとって、英語を勉強する目的は英語でコミュニケーションを図ることのはずです。
他の人との会話を通じた実践なしで、うまく英語でコミュニケーションが図れるようになるのでしょうか?
せっかく世界各国の人と会話ができるツールを使いながら、誰とも話さないとは実にもったいない話です。
英語表現や文法の説明を日本語でツイートする英語専門家が多い中、私が英語学習者の人たちと英語でやりとりするのは、実際に英語でコミュニケーションが図れなければ英語を勉強する意味がないからです。私は、ツイートの返信は、なるべく相手に質問をするようにしているのですが、それは英語で回答をし、会話をしてほしいからです。
それなのに、中には、私がツイートに返信しても、返信して来ない人もいます。英語を直してあげても、”Thank you”の一言さえない人もいます。その上、私のハッシュタグを使って「間違いを直せ」とばかりに次々にツイートを発信し続ける人もおり、「私を(無料の)添削マシーンとでも?」とすら思います。
そういう人は、英語云々の前にコミュニケーション力に問題があるのではないか、コミュニケーションの基本を理解していないのではないかと思わざるを得ません。
そこで、私はツイッター用にルールを載せており、http://twpf.jp/TweetinEng
2~3度、返信したり、ツイートを添削しても、返信がない場合は、それ以上、返信しないことにしています。誰とも会話をしたくないという人には、無理じいするつもりはありません。
私は”Communication is a two-way street”だと思っていますので。
日本企業、外資系企業にかかわらず、企業はコミュニケーション力がある人材を求めていることもお忘れなく。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。