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料理に対する話が続いたところで、食に関する英語について書きたいと思います。
前回、「クメール料理はタイ料理から辛味、風味を除いた感じで…」という部分で「風味」を使いましたが、これは英語のflavorのことです。
日本語で「フレーバー」というと、アイスクリームや紅茶、コーヒーのフレーバーを思い浮かべる人もいるかも知れませんが、英語のflavorとは香りも含んだ味わいのことです。クメール料理に関する上記の内容を英語で表すと、flavorを使って下記のように表現できます。
Kumer cuisine lacks flavor.(クメール料理は味が物足らない、インパクトに欠ける)
Kumer dishes aren’t as flavorful as Thai dishes.(クメール料理はタイ料理ほど風味が豊かではない)
「味がない」という場合は、flavorless, tasteless, bland, have no flavor/taste が使えます。
I find Nordic food bland. (北欧料理は味がしないと思う)
Mass-produced vegetables are tasteless.(大量生産された野菜は味がしない)
Plain tofu has no flavor. (味付けしていない豆腐は無味)
blandの訳に「口当たりのよい、さっぱりした」と掲載している英和辞書もありますが、blandはいい意味では使われません。ほぼ「まずい」と同意義ですので、辞書に惑わされないように。
日本では「おいしい」=deliciousと丸暗記して、「おいしい」を表現するのにdeliciousを連発する人が多いですね。実は、語源が同じだからかロマンス語系話者(delicioso、delizioso、delicieuxなど)にも、その傾向はありますし、アジアでも、そう丸暗記している人は多いようです。
しかし、英語ネイティブは「おいしい」を下記のように様々な形で表現します。
This is very tasty.(これ、とてもおいしい)
This is so/really good.(これ、すごくおいしい)
(This) Tastes good. (おいしい)
俗語的表現であれば、下記もあります。
This is (so) yummy.(これ、おいちい。まいう~) 本来は幼児語だが、大人も使う。
Their BBQ pork is to die for! (あそこの焼豚はメチャうま!)
He makes a killer tiramisu. (彼の作るティラミスは絶品)
Deliciousは普通に「おいしい」というより「非常においしい」というニュアンスなのですが、to die forやkillerは、それにも勝るおいしさです。
同様に、「飲む」=drinkと丸覚えし、drink beer, drink coffeeと飲物にはすべてdrinkを使う人も多いですが、英語ではhave beer/coffeeの方が一般的です。(Have breakfast/lunch/dinnerと同様。)
I had too much beer last night. > I drank too much beer last night.
I had a few beers. > I drank a few beers.
I had some wine with dinner. > I drank some wine with dinner.
Why don’t you have some coffee? > Why don’t you drink some coffee?
ただし、下記のような場合は、haveは使えません。
I don’t drink alcohol/coffee.(アルコール/コーヒーは飲まない、たしなまない)
I drink a lot of water. (水をたくさん飲む、摂取する)
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。