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デジタル時代の外資系面接(3) ─ ビデオ面接

ビデオ面接は、もはや日本国内の就職でもあたり前となりましたが、海外への応募の場合、就職だけでなく、大学院入学の選考面接にも利用されています。表情や身振りが画面に映し出されるので、電話面接より対面面接に近いと言えますが、注意すべき点がいくつかあります。

1)機器・回線の準備

ビデオ面接にはスカイプが使われることが多いのですが、もし使ったことがないのであれば、早めにPCにインストールして練習し、使い方を把握しておくべきです。

先方が日ごろ使用しているソフトを使う場合もありますが、その場合、事前にダウンロードしておくように言われます。

イヤホンやマイクも問題なく使えることを事前にチェックしておきましょう。ラップトップ内臓のマイクやスピーカーの利用はお勧めしません。マイクは周囲の雑音を拾いがちですし、音声もイヤホンのほうがきれいに聞こえます。

ネット回線の状態がよくないと、相手の言うことが聞き取れなかったり、面接官が自分の言うことが聞き取れなかったりして、肝心の面接に集中できません。事前に安定していることを確認しておきましょう。

2)部屋の整頓、場所の確保

壁のポスターや雑然とした部屋の様子が映らないよう、事前に、どの部屋のどこに座るのかを決めておき、背景に何が映るか確認しておきましょう。面接官の気が散らないよう、背景は何も飾っていない壁が好ましいです。

信じられないような話ですが、服が散らばったままの自室や騒がしいコーヒーショップで面接を受けたり、職場の会議室で隠れてヒソヒソ声で面接を受け、面接官に聞こえないので落ちた、という応募者もいるそうです。

3)トラブルの原因を遮断

固定電話や携帯電話の電源は、忘れずに切っておきましょう。また、後ろを家族が通ったり、子どもの声やペットの鳴き声などが入らないように注意しましょう。

4)プロフェッショナルな服装

「映像には上半身しか映らないから、下は短パンやスエットなどでもかまわない」と思う人もいるかもしれませんが、何かの拍子で立ち上がったときに、それが面接官に見えてしまうかもしれません。対面面接に臨む際と同じ格好で、スーツなどを着用したほうが心も引き締まるでしょう。

5)視線と笑顔

 面接の間は、PCの画面でなく、カメラを見ます。それが面接官とのアイコンタクトにつながります。ビデオ面接では、メモを見られるという特典がありますが、うつむかなくていいようなところに置いておきましょう。

コンピュータに向かって笑うのはむずかしいですが、笑顔を忘れないように。

6)リハーサル

家族や友人に手伝ってもらい、模擬面接をして録画をし、回線接続状態や照明、映像背景なども含めすべて事前にチェックしておきましょう。

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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