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今回も、都知事選で聞かれた和製英語をいくつか拾ってみたいと思います。
小池新都知事は選挙中、緑をシンボルカラーとされていましたが 、英語ではcampaign colorが使えます。このcampaignというのは「選挙戦」のことです。
She picked/chose/adopted green as her campaign color.
(緑を選挙運動のシンボルカラーに選んだ。)
なお、緑は6月末にフィリピンの大統領に選ばれたドゥエルテ氏の選挙戦のシンボルカラーでもあったようです。
Green was Mr. Duterte’s official campaign color.
(緑はドゥエルテ氏の選挙戦の公式カラーだった。)
アメリカでは共和党は赤、民主党は青のparty colorですが、これは2004年の選挙でメディアが各党が勝利した州の色分けに使ったことから始まったもので、政党が自ら選んだものではありません。しかし、今では両党が全国大会などで党のカラーとして使用しており、下記のように表現できます。
Red is the color of the Republican Party while blue is the color of the Democratic Party.
(赤が共和党、青が民主党のシンボルカラーだ。)
「メス」はオランダ語のmes(ナイフ)が由来で、英語ではscalpel, surgical knifeと言います。「手術をする」という意味の「メスを入れる」であれば、下記のようにさまざまな言い方ができます。
The idea of having my body cut makes me shudder/queasy/nauseous.
(自分の体にメスを入れる というのは考えただけでゾッとする・吐き気がする。)
Is there any way I can avoid surgery? Is there an alternative to surgery?
(メスを入れずにすむ方法はありませんか?)
選挙戦で使われた「問題に切り込む」という意味では、下記のような表現が使えます。これは、どこまで切り込むか、「調査して暴く」だけなのか、「改革」までするのか、で表現は違ってきます。「捜査のメス」であれば「捜査」だけでしょう。(たとえば、警察や検察では改革までできない。)東京都に関しては、英語の報道ではreformが多く使われています。
Who is the best candidate to reform the Tokyo Metropolitan Assembly?
(都議会にメスを入れるには、どの候補が最適なのか?)
The new governor vowed to probe possible conflicts of interest(corruption) related to the Olympics. (新知事は五輪利権にメスを入れることを約束した。)
なお、東京五輪に関する「利権追及(五輪調査)チーム」は、英語では”the Olympics investigative team” “ the Tokyo Games budget verification team” などと訳されています。
「都政の大掃除をする」という表現も見られましたが、これにはoverhaul(分解してきれいにする、直す)がピッタリです。
She pledged to overhaul Tokyo politics. (都政の大掃除をすると公約した。)
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。