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和製英語に気をつけよう(26) ─ 「リベンジ」

さて、オリンピック関連和製英語シリーズ最終編です。

リオで悔しい思いをした選手には「東京でリベンジします」という選手もいました。この「リベンジ」。「雪辱は果たす」「仮りを返す」という意味であれば、英語でもrevengeが使えます。

I’m going to take/get revenge in Tokyo.

錦織選手はUSオープンでマレー選手を破り、リオでのリベンジを果たしましたが、各紙でrevengeを使った記事が掲載されました。

Nishikori enjoyed taking revenge against Murray.

It was great revenge for his loss at the Olympics.

英語ではrevengeは名詞として使われ、上記以外にも様々な動詞とともに使われます。

Brazil sought revenge against Germany for their World Cup debacle.

(ブラジルはドイツに対し、ワールドカップでの大敗のリベンジを誓った。)

リベンジの相手は、対戦相手でなくてもかまいません。

She gained revenge against her critics with a gold medal.

(金メダルを獲得し、彼女を批判する人たちにリベンジを果たした。)

今月、広島カープが25年ぶりにセリーグ優勝を果たしましたが、こうした場合にもrevengeが使えます。

 The Carp got revenge for 25 years of futility.(カープは不毛な25年にリベンジした。)

スポーツ以外でも

主にスポーツで使われるrevengeですが、スポーツ以外でも「雪辱を果たす」という意味で使えます。最近、世界を騒がせているBrangelina(Brad+Angelina)の離婚。10年以上前にJ・アニストンからB・ピットを奪ったA・ジョリーに対し、ソーシャルメディアでは「これはカルマ」「離婚の話を聞いて#JenniferAniston大喜び」といった投稿が、#TeamJenniferや #JusticeforJenなどのハッシュタグとともにアニストンファンによって行われました。

これをゴシップ誌では、下記のように報じていました。

 Jen’s revenge!  (ジェンのリベンジ)JenはJenniferのニックネーム

 Aniston gets her sweet revenge.(アニストンが痛快にリベンジを)

ちなみに、1984年の映画に”Revenge of the Nerds”というのがありましたが、日本での題名は「ナーズの復讐」でした。今でもnerdという言葉は日本で浸透していませんので、「ナーズって何?」という人も多かったのではないでしょうか。いじめられっ子が反撃に出るという話でしたので、「復讐」より「逆襲」、今であれば「オタクたち(冴えない僕ら?いけてない男子?)のリベンジ」といったタイトルの方がよさそうです。

revenge=再挑戦

しかし、この「リベンジ」。格闘技で使われていたのが、他のスポーツでも使われるようになり、今では日常生活で「再挑戦」という意味で使われています。

たとえば、「日曜は店が閉まっていたので、平日にリベンジする」という場合、もちろん英語ではrevengeは使えませんので注意が必要です。

The restaurant was closed on Sun. I’m going back there on a weekday(during the week).

I was sick and couldn’t make it to the event today. I’ll be sure to make it next time.

(今日は具合が悪く、イベントに参加できなかった。次回は必ずリベンジする。)

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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