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非英語圏を目指すなら英語よりも — インドネシア

12月から1月にかけて1か月インドネシアを旅していたのですが、インドネシアで生活するにはインドネシア語が必須と痛感しました。マレーシアは英語だけでも生きていけますが(でもマレー語もできた方が便利)、インドネシアは、たとえ社内言語が英語で職場は英語で通せても、日常生活が英語だけでは厳しいと思います。

「バリでは英語が通じた」という人もいるでしょうが、バリも観光地を一歩出れば通じないです。ジャワ島はジャカルタを除き、外国人向けホテル以外では英語はほとんど通じないです。

すでに、ある程度、英語ができる人がインドネシアに行く前に英会話に磨きをかけるというのならわかります。そうでないのなら、新たに英語を勉強するよりもインドネシア語を勉強した方が早いですし、役に立つでしょう。

インドネシア語の発音はローマ字発音で通じます。母音は英語のように多様ではなく、5文字6音で、いいかげんに発音しても通じます。たとえば、英語のbusはインドシア語ではbasで、母音のaは日本語の「ア」の方が英語の「^」より似ており、日本語の「バス」の発音でも通じるでしょう。時制もないので、動詞の語形変化を覚える必要もありません。

私もインドネシア旅行中(かつ先のマレーシア滞在中)に、ある程度、覚えましたが、1~2か月、勉強すれば日常会話はできるようになると思います。一部語彙が違う以外、マレー語とはほぼ同じなので、インドネシア語ができるとマレーシアでも(ブルネイでも)役に立ちます。

再度、英語である必要はない

日本では外国人を見ると英語で話しかける人が多いですが(とくにアジア系以外は誰でも英語を話すと思っているフシがある)、アジア系だけでなく、ヨーロッパ系や中南米系でも英語を話せない人は山ほどいます。以前、英語を話す人口は世界に15億人いると書きましたが、ということは60億人くらいは英語を話さないわけです。(英語圏のアメリカにだって英語ができない人がいくらでもいるのですから。)
中国に行くのに、誰も「英語を勉強しないと」とは思わないですよね?それなのに東南アジアになると、英語に固執する人が多いのではないでしょうか。

前回、書きましたが、海外に羽ばたくのに言語が英語である必要はありません。(羽ばたく先に寄るわけですが。)

英語が”ある程度”できる人はいくらでもいます。でも、インドネシア語・マレーシア語ができる人は少ないですね。インドネシアに渡るのに、今から”人並み”の英語力を今から習得するよりも、インドネシア語を習得した方が人と違った点をウリにできるのではないでしょうか。

インドネシアでの求人も、日系企業の場合、社内言語は英語にしている場合があるので英語力が求められることがありますが、「インドネシア語または英語ができる人」という求人広告もあります。現地の人を監督する立場に立つならインドネシア語は必須だと思います。

なお、インドネシアでの就職に関しては、「インドネシアで働く」シリーズが参考になります。

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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