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前回、「オンリーワン」を意味する英語表現のひとつにuniqueを取り上げました。英語のuniqueは、「唯一の、無二の」という意味です。
ネット用語の「ユニークビジター(unique visitor)」は、まさにこの意味の「ユニーク」(一意)です。集計期間内に同じ人が、そのサイトを何度、訪問しても一人と数えるからです。
しかし、日本語の「ユニーク」は、それ以外に「風変わりな、面白い」という意味でも使われます。たとえば、ネットには「ユニークな動画集」なんていうのがありますが、笑える面白い動画が集められています。そうした意味では、英語ではuniqueは使えません。
Funny videos (笑える動画)
Interesting videos (興味深い動画)
英語でunique video といえば、「他には存在しない、ここにしかない(特別な)動画」ということになります。
日本の長寿番組「さんまのからくりスーパーTV」で使われていたアメリカのホームビデオは、「America’s Funniest Home Videos」というタイトルの番組のものです。(ちなみに、その米番組の元になったのは、80年代の「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ:面白ビデオコーナー」だそうですが。)
また、面白いという意味で「君ってユニーク」というのは、英語では下記のように表現できます。
You’re funny. (君っておかしい。)
You’re amusing. (君っておかしい。面白い。)
You’re interesting. (君って面白い。興味深い。)
英語の“You’re unique”は「あなたのような人は他にはいない」ということで、”Everyone is unique”「誰一人として同じ人はいない」ので、いわば当然のことです。
“What makes you unique?” は、「あなたをあなたたらしめるものは?」ということです。
他に、英語のuniqueは、下記のような形で使われます。
・My name is unique in Japan. (私の名前は日本では、あまりない。非常に珍しい。)
私の名前(有元)も、あまりないですが、uniqueというほどではないので、”My name is not very common in Japan.” と説明しています。
・Frogs have the unique ability to see colors in the dark.
(蛙は暗闇でも色を識別できる特別な能力を有している。)
・The problem is not unique to Japan.(その問題は日本特有のものではない。)
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。