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インドネシアは、首都ジャカルタを中心に急激な成長をとげています。国の経済成長の指標である国内総生産(GDP)成長率は、ここ10年間にわたり5~6%の伸び率を維持。2014年10月、10年間続いたユドヨノ政権後、ジョコ・ウィドド前ジャカルタ特別州知事が新大統領に選出され就任。ジョコ・ウィドド大統領就任時はインドネシア大統領として「A NEW HOPE(新しい希望)」というタイトルでアメリカのタイム誌の表紙も飾るほど世界からも注目されました。
インドネシアの国土面積は日本の約5倍で東南アジア最大を誇ります。そして、人口は中国、アメリカ、インドにつづく世界第4位で2億5000万人(2014年時点)。世界中の投資家たちがインドネシア市場の今後の可能性に関心を寄せており、たくさんの大手外資系企業が東南アジアの本拠点をインドネシアに移行される傾向が見られます。インドネシアの景気堅調の原動力は、個人消費といわれています。消費財を中心に、国民たちの個人消費拡大の主な牽引役は自家用車。そのため、ジャカルタ市内では渋滞が社会問題になっています。2009年から2013年のわずか4年間で売り上げは2.5倍に急増。インドネシアは車、バイクの消費市場としてだけでなく、生産拠点としても著しく発展しています。2000年代以降のコモディティーブームを背景とする外資企業による投資、国内消費拡大に対応した内需向け生産設備投資の増加。生産拠点として伸びる一方、インフラのキャパシティー不足や労働者の教育訓練不足といったボトルネックを抱えています。このような状況下で、外国人エキスパートたちには、ローカル人材のマネージメント、ハイレベルな製造管理、品質管理スキルが求められています。
インドネシアは東南アジア随一ともいえる天然資源の宝庫です。石油、天然ガスを始め、石炭、錫、銅、ニッケル、ボーキサイト、砂鉄、マンガン等の鉱物資源は、多様かつ豊富で多くの企業が参入し、諸外国へ輸出入されています。なかでも石炭は世界でも断トツの産出国です。農産物も豊かで、ゴム、パーム・オイル、コーヒー、紅茶、砂糖等があり、陸地面積の3倍に当たる広大な海域からはカツオ、マグロ、エビ等多種類の水産物が収穫されています。
2000年代の日本企業の進出は中国本土が5割を占めていました。しかし、2012年以降、アセアン10カ国への進出が中国を上回りました。中でも伸長著しいのがインドネシアです。2014年で日本からの進出企業は1763社(帝国データバンク調べ)といわれています。2012年からの2年間で約40%増加し、日本人の海外就職先としても大変注目されています。業種別では、「製造業」約53%、「卸売業」約22%、「サービス業」約8%、「小売業」など。インドネシアにとって日本は第1位の輸出相手国であると同時に第3位の輸入相手国。そのため、日本企業はインドネシアで多くの労働や雇用を創出しています。日本にとって重要な経済パートナーであるインドネシアは、今後も日本経済に大きな影響力を与え、大手企業はもちろん中小規模企業の進出もいっそう増加していくものとみられています。