Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、英語を使って仕事をする際に必須となる「ロジカル思考」です。
日本語と英語は文法が違うので、何が論理的なのかも変わります。初めて上司がアメリカ人になった時、私は頻繁に”Micky, What is your conclusion?”(結論は何?)」と話の途中で遮られていました。
「君の話し方はロジカルでは無い」とまでは、さすがに言われませんでしたが、このままではいけないと感じ、周囲の英語ネイティブ社員の真似するよう努力しました。私の問題点は、結論から入らずに自分の言いたい説明を長くして、最後に結論を話していたことでした。
日本語と英語のロジックの違いを見比べてみましょう。ある会議の出席に関する会話です。
<日本語のロジック>
– 明日の会議に社長が参加できなくなったそうです。
– 最終決定権を持つのは社長だけです。
– 明日でなくても来週の会議でも決済は間に合います。
– 明日は会議にこの議題をかけるのをやめて、来週に延期しましょう。
※理由・根拠などの説明が先に来て、最後に結論が来ます。
<英語のロジック>
– 明日は会議にこの議題をかけるのをやめて、来週に延期しましょう。
なぜなら
– 明日の会議に社長が参加できなくなったそうです。
– 最終決定権を持つのは社長だけです。
– 明日でなくても来週の会議でも決済は間に合います。
なので、明日は会議にこの議題をかけるのをやめて来週に延期しましょう。
※結論がまず先にきて、根拠・理由などの説明があり、最後にもう一度結論を繰り返します。
この流れを頭で理解できても、最初の頃はなかなか切り替えがうまくいきません。ギアチェンジするためには、英語でまとまった話を英語ネイティブするときは、あらかじめ何を話すのか、どの順番で話すのかを紙に書いて可視化してざっとまとめておくのがお勧めです。流れが日本語的だと気がつけたり、そもそも話が長いかもしれないと組み立てを見直したりできて、結果としてロジカルに短めに話すことができます。コミュニケーションスタイルは習慣なので、だんだん慣れると毎回書かなくても、英語流のロジックで話せるようになります。
現に私の周りには、日本語で話している時も「結論から言いますと」を最初に繰り出す人が多いです。英語で身に付けたロジックを週刊で日本語の時にも持ち込んでいるのでしょう。
英語の面接では、英語でロジカルに話せるかが試されます。面接官の質問に対する答えが長く結論が見えない話し方をすると、「母国語に引っ張られているのだろう」とは思ってもらえず、地頭が良くないと誤解されることが多いので注意が必要です。初めて会う候補者の話なので、面接官は一生懸命聞こうとします。それぞれに記憶力のキャパがあり返答が長くなると最初の頃が思い出せなくなり、その上にロジカルでないと相手は興味を失い途中からよく聞いていないこともあるでしょう。
前回コラムにしたアサーティブネス、そして今回のロジカル思考は、どちらも外資系または海外で仕事をするにあたって必須のスキルになります。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。